最近、電気自動車(EV)が何かと話題ですね。私もEV(バッテリーのみのEV)に乗っているので周りからも使い勝手を聞かれたりしますが、スマホのバッテリーのようにすぐに劣化すると思われている方が結構多いようです(^^;;
先日の関越自動車道のように雪道で立ち往生した場合も、EVだと耐えられないと思われているようですが、意外とそうでもありません。
今回は、雪道で立ち往生した場合の影響について、ガソリン車(もしくは他の内燃機関の車)とEVを比べてみました。また、自分の車(EV)でも検証してみました。
ガソリン車は一酸化炭素中毒に注意
ガソリン車でもあまり雪道経験がないと意識しないかもしれませんが、エンジンを掛けたまま雪に埋もれてしまうと一酸化炭素中毒になります! 当たり前と言えば当たり前です。排気ガスの出口であるマフラーが雪で塞がれるとそのガスが車内に充満するからです。
一方のEVはゼロ・エミッション(排気ガスが出ない)なので、その心配はありません。
念のため、なぜ排気ガスが出ないかというと、エンジン(内燃機関)を搭載していないからです。EVはバッテリーでモーターを回すだけ、というシンプルな構造になっています。それに対してガソリン車などは、ガソリンなどの燃料を燃やして発生するエネルギーにより車を動かしています。エンジンの構造上、車を動かしていない間も燃料を燃やして排気ガスを出し続けます(アイドリング)。
というわけで、一酸化炭素中毒にならないというのはEVのメリットと言えます。
EVは暖房がネック?
熱源にもなるエンジン
雪道で立ち往生した場合、車内で長時間しのぐために暖房は欠かせません。
ガソリン車などはエンジンで燃料を燃やしているのでもともと熱が出ています。暖房をつけなくても暖かいくらいですが、その熱を暖房に再利用しているので効率的です。
一方のEVは、そもそもエンジンがないので暖房に回せる熱源がありません。
実はバッテリーも高温になるときがあるのですが、それは高速走行したときや急速充電したときです。冬の場合、バッテリーの温度は逆に低くなってしまいます。ましてや立ち往生したときに高温となることは期待できません。
ガソリンはエネルギーの山
大半を熱としてロスしてしまうガソリンですが、重さあたりのエネルギー量(エネルギー密度)は非常に高いです。以下の資料を見ると、ロスする分を差し引いてもリチウムイオンバッテリーの25倍とありました。
なので、ガソリンがある程度残っていれば、アイドリングしたままでもかなりの時間暖房を維持できるということになります。
たしかに、ガソリン満タンのプリウス(ガソリンを燃料とするハイブリッド車)の航続可能距離が1000km程で、バッテリー満充電のリーフ(62kWh)だと500km程度ですね。。
また、ガソリン車のエネルギー補給はタンクに燃料を入れるだけなので簡単ですぐに終わります。いざというときは携行缶で運ぶこともできますね。EVだと今のところそういうわけにはいきません。
EVの暖房は…
ヒートポンプ暖房
熱源となるエンジンを搭載していなくて、エネルギー密度の低いバッテリーを搭載しているEVですので、ガソリン車と同じように暖房をかけるわけにはいきません。普段であれば、バッテリー残量が減ればまた充電すればいいだけなのですが、立ち往生したときはそういうわけにはいきません。ただ、その辺はしっかり考えられているようです。
まず、最近はヒートポンプ式の暖房になっていて非常に効率がいいです。車外の空気中にある熱を利用して暖房しているようなイメージです。電気温水器とエコキュートの違いと同じですね。ヒートポンプの仕組みについてはこちらのサイトが分かりやすいです。
↓こちらのサイトは車のヒートポンプ暖房の動画があって分かりやすかったです!
ちなみに、ヒートポンプには室外機がありますが、この例だと前面部分にありますね。直接雪に埋もれるわけではないと思いますが、念のため除雪はしておいたほうが良さそうです。。
シートヒーター
さらに省エネの暖房としてシートヒーターがあります。車内全体ではなくシートだけを温めるので無駄がありません。一部だけを暖める電気カーペットやコタツみたいなものでしょうかね。実際、体は温まりますし、消費電力も軽微です。
個人的には、一人で運転している分にはシートヒーターをつけて、あとは膝掛けを掛けていれば十分暖かいです。また、室内の暖房をつけても設定温度を低めにしておけば大した消費電力ではありません。
というわけで、熱源のないEVでも十分な暖房を確保しつつ、消費電力を抑えることが可能です。結果的に環境にも優しいですね。
実際のEVで検証
暖房の消費電力について、実際に我が家のEVで実験してみました。