Windows11用のWinPEブート媒体を作る方法

PC
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今回、Windows 11用のWindows Preinstallation Environment(WinPE)ブートメディアを作ってみたので、その手順をまとめました。

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ADKのセットアップ

WinPEの作成には、Windows アセスメント & デプロイメント キット(Windows ADK) のインストールが必要です。インストール先はWindows 10でも問題ないようです。

こちら から ADK for Windows 11 のセットアップ用ファイル(adksetup.exe)をダウンロードし、実行します。実行すると、ADKを直接インストールするかダウンロードするか聞かれるので選択します。

以下、ADKを一旦指定のフォルダにダウンロードする場合の手順です。
直接インストールする場合、ADKのインストール へ進みます。

ADKのダウンロード

こちらの画面で、下のダウンロードのほうを選択して、ファイルを格納したいフォルダを指定し、次へ進みます。
WinPE-ADK-setup
プライバシーの問いに答えて次に進むと、ダウンロードが開始します。
ダウンロードが完了。
その後、ダウンロードしたフォルダにあるセットアップ用ファイル(adksetup.exe)を起動するとインストールが始まります。

ADKのインストール

こちらの画面で、上のインストールのほうを選択し、次へ進みます。
プライバシーの問いに答えて次に進みます。
「Deployment Tools」を選択して「インストール」ボタンを押下します。
ADKのインストール完了です。
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WinPEアドオンのセットアップ

以前はADKをインストールだけでよかったのですが、現在は「WinPEアドオン」もインストールする必要があるようです。(Win10バージョン 1809以降)

ADKと同様、こちら から WinPEアドオンのセットアップ用ファイル(adkwinpesetup.exe)をダウンロードし、実行します。実行すると、直接インストールするかダウンロードするか聞かれるので選択します。

以下、WinPEアドオンを一旦指定のフォルダにダウンロードする場合の手順です。
直接インストールする場合、WinPEアドオンのインストール へ進みます。

WinPEアドオンのダウンロード

こちらの画面で、下のダウンロードのほうを選択して、ファイルを格納したいフォルダを指定し、次へ進みます。

プライバシーの問いに答えて次に進みます。
ライセンスの同意画面。
WinPEアドオンのダウンロード完了。
その後、ダウンロードしたフォルダにあるセットアップ用ファイル(adkwinpesetup.exe)を起動するとインストールが始まります。

WinPEアドオンのインストール

こちらの画面で、上のインストールのほうを選択し、次へ進みます。
プライバシーの問いに答えて次に進みます。
ライセンス同意画面。
「Windows Preinstallation Environment (Windows PE)」が選択されていることを確認し、「インストール」ボタンを押下します。
これでWinPEアドオンのインストールの完了です。
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WinPEの作成

下記の手順に従って作成します。

作業ファイルの作成

スタートメニューから「展開およびイメージングツール環境」を管理者として起動します。
以下のように、右クリックで選択して「管理者として実行」が選べます。

ターミナルウィンドウが開くので、以下のコマンドを叩いてWinPE用のファイルを展開します。

copype amd64 C:\WinPE_amd64

「C:\WinPE_amd64」の部分は指定する展開先フォルダ名の例です。

カスタマイズする必要がない場合、このままブートメディアを作成します。

ブートメディアの作成

ISOファイルの場合

「C:\WinPE_amd64」にあるファイルを使ってISOイメージを作成するには、以下のコマンドを叩きます。

MakeWinPEMedia /ISO C:\WinPE_amd64 C:\WinPE_amd64\WinPE_amd64.iso

「C:\WinPE_amd64\WinPE_amd64.iso」の部分は指定するISOファイルのパス名の例です。

エクスプローラ上でISOファイルを右クリックしてDVDに書き込めばブートディスクができます。

USBメモリの場合

「C:\WinPE_amd64」にあるファイルを使ってブート用のUSBメモリを作るには、以下のように叩きます。

MakeWinPEMedia /UFD C:\WinPE_amd64 P:

P: の部分は指定するUSBメモリのドライブ名の例です(上書きされます)。

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WinPEをカスタマイズする場合

WinPEをカスタマイズする場合、上記の ブートメディアの作成 の手順の前に行う必要があります。

以下、カスタマイズの一例です。

WinPEイメージをマウントする

初めにWinPEイメージをマウントする必要があります。

以下は作業フォルダが「C:\WinPE_amd64」の場合の例です。

Dism /Mount-Image /ImageFile:"C:\WinPE_amd64\media\sources\boot.wim" /index:1 /MountDir:"C:\WinPE_amd64\mount"

ドライバを追加する

ドライバを追加する必要がある場合は、以下のコマンドで追加します。

Dism /Add-Driver /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Driver:"C:\SampleDriver\driver.inf"

なお、署名されていないドライバの場合、「/ForceUnsigned」オプションが必要なようです。

アプリを追加する

アプリ(実行形式のファイル)を追加する必要がある場合は、以下のようにファイルをコピーして配置します。

md "C:\WinPE_amd64\mount\windows\<MyApp>"
Xcopy C:\<MyApp> "C:\WinPE_amd64\mount\windows\<MyApp>"

日本語化する

日本語化するには、日本語言語パッケージとフォントパッケージを追加します。

Dism /Add-Package /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /PackagePath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\ja-jp\lp.cab"
Dism /Add-Package /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /PackagePath:"C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\Assessment and Deployment Kit\Windows Preinstallation Environment\amd64\WinPE_OCs\WinPE-FontSupport-JA-JP.cab"

必要に応じて、そのほかのコンポーネントを追加します。

次に、DISMコマンドのオプションで各種設定を変更します。

  • ロケールの設定
    Dism /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Set-AllIntl:ja-jp
    Dism /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Set-InputLocale:0411:00000411
  • キーボードを日本語配列に設定
    Dism /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Set-LayeredDriver:6
  • タイムゾーンを東京に設定
    Dism /Image:"C:\WinPE_amd64\mount" /Set-TimeZone:"Tokyo Standard Time"

ブートモードを固定化する

ブートモード(UEFI or レガシーBIOS)を固定化したい場合は、以下に記載の方法で実現可能です。

レジストリを編集する

レジストリを編集するには、ハイブを読み出して作業中PCで編集することができます。記事は古いですが、以下がわかりやすいです。

Windowsでレジストリハイブをロードしてオフラインでレジストリを閲覧・編集する
何らかの障害でWindows OSが起動できないと、そのレジストリを直接参照することはできない。そこでreg loadコマンドやレジストリエディタのロード機能を利用すれば、当該PCから取り出した「レジストリハイブ」を別のPCのレジストリに「...

WinPEイメージの最適化の準備

イメージの最適化 を行う場合、まず、マウントを解除する前に準備を行います。

DISM /Cleanup-Image /Image="C:\WinPE_amd64\mount" /StartComponentCleanup /ResetBase

WinPEイメージのマウントを解除する

カスタマイズが終わったら、WinPE イメージのマウントを解除して変更をコミットします。

Dism /Unmount-Image /MountDir:"C:\WinPE_amd64\mount" /commit

WinPEイメージを最適化する

イメージの最適化を行う場合、事前に 最適化の準備 を行ったうえで最適化を行います。以下の通り、イメージのエクスポートを行い、元のイメージを上書きします。

Dism /Export-Image /SourceImageFile:"c:\winpe_amd64\media\sources\boot.wim" /SourceIndex:1 /DestinationImageFile:"c:\winpe_amd64\mount\boot2.wim"
Del "C:\WinPE_amd64\media\sources\boot.wim"
Copy "C:\WinPE_amd64\mount\boot2.wim" "c:\winpe_amd64\media\sources\boot.wim"

このあとに、先ほどの「ブートメディアの作成」を行います。

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作成したWinPEでブートしてみた

作成したWinPEブート媒体を使って、Mac(Intel)上のVM(VirtualBox)で立ち上げてみました。

結果、あっさりと立ち上がりました。そのときの画面です。

 

Windows11の通常OSとは違って、WinPEでは特にシステム要件の問題はなさそうです。というわけで、WinPE作成手順もWin10と特に違いはないようです。

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まとめ

今回、Windows 11用のWinPEブート媒体を作ってみたので、その手順をまとめました。Win10のときと同様、ADK for Windows 11とWinPEアドオンをインストールして作成する必要がありました。また、日本語パッケージなどWinPEのカスタマイズも行いました。参考にしてみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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